広島城天守閣の木造復元を実現する会

かつて「国宝」に指定されるも原爆によって失われた広島城天守閣。
安土桃山時代の趣を残す天守閣が80年の時を経て現代の世に甦る。

広島の原点、広島城


毛利輝元公

約430年前、広島城築城により
広島のまちは誕生した

広島城は、今から約430年前の1589年、西国の大大名・毛利輝元公によって築城されました。
当時、毛利家は広島県の県北、現在の安芸高田市吉田にあった郡山城を本拠地としていましたが、物流の中心が海運であった当時、山間にある吉田は城下町の発展という観点では極めて不利でした。
そこで輝元公は、広島湾沿いに新たな城を築くことを決意します。

当時、この辺りは遠浅の海でした。そこにはいくつかの島が点在していました。江波島、吉島、仁保島、比治島、箱島など、その中で最も広い島に城を築いた、それが広島城です。
広島城ができたことにより、まちが誕生しました。「広島」と名づけられたまちはその後、福島氏、浅野氏へと引き継がれ、広島城の城下町として、長きにわたり大いに発展しました。
昭和6年には天守閣は国宝に指定されました。

ところが、昭和20年8月6日、アメリカ軍は1発の原子爆弾を投下。爆心地より約980メートルの位置にあった広島城天守閣は、原子爆弾の衝撃波に耐え切れず、倒壊。その後しばらくは天守閣のない時代がありましたが、昭和26年、広島国体の際に築かれた仮設の2代目天守閣を経て、昭和33年、広島復興大博覧会の開催に合わせて、わずか5か月間という短期間で、鉄筋コンクリートで再建されたのが現在の天守閣、3代目天守閣です。

広島城天守閣が消滅する?


広島城天守閣

しかしながら再建から62年を経た天守閣はここ数年、壁部のひび割れ、コンクリートの剥落などが複数箇所で確認されています。

昨年、広島市は天守閣の耐震診断を実施しましたが、結果はIs値0.3未満で「地震の振動及び衝撃に対して倒壊、又は崩壊する危険性が高い」というものでした。
一般的な建物であれば「Is値0.6以上」というのがひとつの安全の目安で、公立学校施設については「おおむね0.7を超えること」が求められています。
つまりIs値0.3未満というのは、かなり危険なレベルです。
開館時間中、強い地震が起きれば天守閣は倒壊し、かなりの被害が出るのではないか?そう考えると、広島城天守閣については即刻、耐震補強工事を行うべきです。

ただ、ここでいったん問題を切り分けて考える必要があります。
耐震補強工事をすれば、ひとまず耐震基準はクリアしますが、耐震基準をクリアすることと、建物の耐用年数、つまりは建物自体があと何年もつかということとはまったく別問題だということです。耐震基準をクリアしたからといって耐用年数自体が延びるわけではありません。
建物には寿命があります。鉄筋コンクリート造りの建物の耐用年数は、一般的に60年程度とされています。
仮に耐震補強工事を施したとしても、耐用年数を超えた天守閣は急速に劣化が進んでいき、いずれ安全面を考えて解体せざるを得なくなる日がやってきます。

これは何も広島城のみの問題ではありません。全国各地にある鉄筋コンクリート造りの天守閣はいずれも同様の問題を抱えています。このままでは四半世紀後には国内の天守閣の大半が消滅していくと考えられています。

天守閣木造復元の意義


現存十二天守

現在、国内にある天守閣のほとんどは戦後、鉄筋コンクリートで造られたものです。
一方で築城当時の趣を残したオリジナルの天守閣は12あります。
松本城、彦根城、姫路城、松江城、松山城など、いわゆる現存天守と呼ばれるものです。
この現存天守、実は戦前までは20ほどありましたが、そのうち8つが戦災などで失われてしまいます。広島城天守閣も失われた天守閣のひとつです。

現在、文化庁からは史跡等における歴史的建造物の復元に関しては厳しい基準が設けられています。ただ、広島城天守閣については戦前に作成された実測図、それに多数の写真が残されており、復元の許可が下りる可能性は非常に高いです。

城郭建築の権威である広島大学の三浦正幸名誉教授の見解によれば、文化庁の厳しい基準をクリアできる城は、全国的に見ても名古屋城、岡山城、福山城、そして広島城のわずか4城のみだそうです。
特に広島城天守閣は、現存12天守、それに今後復元可能な4天守を加えた16天守の中でも、最も古い時代に築かれたもので、当時の豊臣時代の大坂城を模して造られたものです。歴史的にも学術的にもかなりの価値を有しています。
つまりは、現在、忠実に復元が可能で、しかも復元されれば国内で最も古い様式を伝える天守閣、それが広島城天守閣なのです。

幻の広島城木造復元計画


広島城跡保存管理計画書と広島城跡整備基本計画書
広島城木造復元計画

実は約30年前、広島市は広島城の木造復元を計画。「広島城跡保存管理計画書」「広島城跡整備基本計画書」の2冊の計画書を作成しました。
計画書では広島城の歴史的、文化的価値やその重要性について十二分に説かれたうえで、さらには二の丸と本丸の整備計画について具体的かつ明確に書かれています。
整備計画は第1期と第2期に分けられ、第1期では表御門、平櫓・多門櫓・太鼓櫓の木造復元、第2期では中御門、裏御門、そして天守閣(大天守に加え2つの小天守)の木造復元をする計画でした。
期限は第1期が計画から5年以内、第2期は現在の天守閣が耐用年数に達するまでと書かれています。ただし、築60年を経過した天守閣は耐用年数を超えています。つまり計画に基づくと、既に木造復元し終わっていないといけないわけです。

しかしながら実際には平成6年に第1期の二の丸の整備を終えて以降、計画はストップ。市長も担当者も変わり、歳月と共に忘れ去られてしまったようです。

計画書を開いてみますと、そこにはワクワクするような広島城の姿が描かれています。
多数の完成予想図やイラストが掲載されています。当時の担当者の気概、意気込み、夢、情熱が感じられます。

木造復元への市民の期待


市民アンケートの結果

昨年、広島市は広島城天守閣の今後について市民アンケートを実施しました。

結果は、約半数の方が耐震改修工事が望ましいと回答されています。
ただ、一方で興味深いのは、「多額の費用を投じてでも」という前置きがあるにもかかわらず、木造復元を希望される方が、20%以上もいらっしゃるということです。

木造復元実現の可能性


現在の広島城天守閣

現在、広島市は文化分野、観光分野の有識者を集め、広島城のあり方に関する懇談会を開いています。
天守閣の木造復元については、今後この懇談会においても話し合われ、耐震改修工事にするのか、それとも木造復元にするのかを今年度中に決定する予定です。

ただ、問題は事業予算です。耐震改修工事であれば10億円程度が見込まれますが、木造復元となれば一体どれくらいかかるのか?

ちなみに現在、木造復元計画がある名古屋城天守閣の事業予算は505億円。
広島城天守閣についても木造復元をするとなれば、それなりの費用が必要となりますが、名古屋城と比べると規模はずいぶんと小さいです。床面積で言えば4分の1以下です。金鯱も銅瓦も要りません。木材については名古屋城は無節の木曽ヒノキという最上級の木材を使用しますが、広島城は一般的な木材でまかなえます。そう考えますと、名古屋城の予算と比べると一桁ぐらい変わってくる可能性もあります。

さらには全国からの寄付も期待できます。実際、名古屋城本丸御殿の復元や熊本城天守閣の復旧においては数十億円単位で寄付が集まっています。
耐震改修工事では寄付は望めませんが、木造復元となれば多額の寄付が期待できます。

被爆80年の節目の年に そして、千年後の未来に


現在の広島城天守閣

今後、実際に木造復元することになれば、文化庁への申請に要する時間も含めると5年はかかると見込まれます。5年後といえば被爆80年です。
被爆80年という節目の年に木造復元を完成させ、戦前国宝であった広島城天守閣の姿に復する。戦後広島の復興のひとつの区切りとなり得ます。

広島城天守閣は歴史的、学術的にも文化的にも優れた価値を有しています。木造復元できれば、数百年、メンテナンス次第では千年以上もちます。
歴史の伝承という観点においても、原爆ドーム、平和記念公園と共に、後世に残すべき遺産、千年後の未来に残すべき宝、それが広島城天守閣です。

会員募集のお知らせ

広島城天守閣の木造復元を実現させようと思えば、まずは市民の声を広島市に届けなくてはなりません。
そのためにもひとりでも多くの方のご参加をお願いしたいです。
ご入会いただける方は下記の「入会希望フォーム」からお申し込みください。
※入会金や会費は一切不要です。

勉強会のお知らせ

当会では、広島の歴史、広島城の歴史、広島城の木造復元などについての勉強会の開催を企画しています。
少人数でもお集まりいただける場合は出張もさせていただきます。
下記の「お問合せフォーム」からお気軽にお問い合わせください。

署名活動にご協力ください!

広島城天守閣の木造復元を実現させるべく、現在、署名活動を行っております。
令和三年1月を目標に1万人の署名を松井市長に届けます。
以下のリンク先から署名用紙をダウンロードし、ご家族・友人・知人など署名活動にご協力ください。

>>>署名用紙はこちら<<<

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